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「毎日頑張ることに、もう疲れちゃった」というあなたに。
ぜひおすすめしたい一冊があります!
親にすら「クソ真面目」と言われる
当ブログ執筆者のぴえこです。
本記事では、もうタイトルからして素敵すぎる本、
『あやうく一生懸命生きるところだった』をご紹介します。
表紙がすでに可愛い。ゆるいです。
あやうく一生懸命生きるところだった
あらすじ
こちらは韓国人で、イラストレーター、作家をされている
ハ・ワンさん(以下、ハワンさん)のエッセイです。
内容は、のんびり生活のススメ、といった印象。
翻訳の岡崎さんの力も大きいと思いますが、力の抜けた文章が癖になります。
また、挿絵もすべてご自身で描かれています。
疲れているときは、ぱらぱらと絵をみるだけでも癒されそうです。
なお、ハワンさんは本書の続編も書かれています。
著者詳細
著者、ハワンさんは美大卒業後、
イラストレーターと会社員を兼業していましたが、
「こんなに一生懸命生きているのに、自分の人生はなんでこうも冴えないんだ」
と、40歳で会社を辞めます。
ちなみに、著者プロフィール欄によれば、
特技は、何かと言い訳をつけて仕事を断ること、
貯金の食い潰し
昼ビール堪能など。
――ダイヤモンド社 ハ・ワン 訳・岡崎暢子『あやうく一生懸命生きるところだった』著者プロフィール欄より
なんだそうです。
……正直ちょっとうらやましい
しかし、ハワンさんは決して、
最初から「一生懸命生きていなかった」わけではありません。
むしろめちゃくちゃ一生懸命でした。
ホンデへの執着、そして三浪
ハワンさんの出た美大は「ホンデ」という学校で、
本書の注によれば韓国一の難関美大なんだそうです。
ハワンさんは三浪した末に合格しましたが、
結局進学後はひたすら学費を稼ぐためにアルバイト。
夢見たキャンパスライフはありませんでした。
この時のことを「執着していた」と、本書でハワンさんは振り返っています。
就職した会社が倒産する
卒業後、会社に就職したハワンさんは、「フリーランスになりたい」と思うようになります。
悩んだ結果、「3年間貯金してから退職しよう」と決めました。
しかし、その計画を立てた一週間後に会社が倒産してしまったのです。
このように、ハワンさん自身はこれまで「一生懸命」生きてきました。
それなのに、幸せになるどころか、不幸であるとさえ感じている。
それならもう、
今日から必死に生きないようにしよっと。
心に響いた箇所
本書の中で私が特に気に入っているのは、
「年をとってから遊ぶなんて!」というエピソードです。
大人になり、子どものころよりも遊ぶ時間が減った人は多いのではないでしょうか。
どうして私たちは遊べなくなったんでしょう……?
年をとってから遊ぶなんて!
おそらく多くの方は
「お金を稼ぐ」ために遊ぶことを我慢していると思います。
家族のため、老後のため、将来のためなどなど。
ハワンさんも、「しっかり貯金してから遊ぼう」と思っていましたが、
その「遊ぶとき」はいつ来るのだろう?と思うようになります。
老人になって働けなくなった時にやっと遊べるのかもしれない。
公園のベンチに腰掛けて鳩にエサなんかあげながら……。
ああ、つまんない!
老人になってから遊ぶだなんて、たかがしれている。
大人は、もう少し欲望に正直になる必要がある。
――ダイヤモンド社 ハ・ワン 訳・岡崎暢子『あやうく一生懸命生きるところだった』92ページ
本書では、『アリとキリギリス』のその後のお話を例に出しています。
キリギリスは歌を歌ってばかりの物乞い暮らしで、夢だった歌手にはなれないまま。
しかしある日、楽曲提供した曲が大ヒット!
そしてキリギリスは売れっ子作曲家になり、印税で暮らせるようになりましたとさ。
働くことが正しくて、遊ぶことが悪いこと、と思いがちですが、
案外そうでもないのかもしれません。
遊びたいなら遊ぼう!!
鬱になる前の会社員時代、私は貯金大好き人間でした。
収入のほとんどを貯金に回し、
食事や日用品はいつも「安いかどうか」で選んでいました。
いつしか休日もあまり遊ばなくなり、大好きだった読書の頻度も減り……。
正直、毎日苦しかったです。
これもすべては「将来のため」でした。
しかし、本書を読んでから、「遊ばないなんてもったいないな」と思えるようになりました。
来るかもわからない将来のために、現在の娯楽すべてを我慢する必要はないのです。
ちょっと「DIE WITH ZERO」に似た考え方かも
最近私は、昔からやってみたかった「ピラティス」に通い始めました。
今までの私だったら「もったいない」と思ってやらなかったと思います。
しかし、より多くのお金を貯金に回していた当時よりも、
ピラティスに通っている今の方がずっと幸せです。
「いつかやろう」と思っていることは、
別に今やったってかまわないんだよな、と改めて感じました。
ぴえこ的感想
可愛い挿絵、ゆるい文章、総じてとても読みやすいです。
肩肘張ってしまうとき、頑張りすぎてしまうときに読むと、
ほどよく力が抜けてきます。
本書を読めば、「頑張らない」という新しい考え方をインストールできます。
チャーミングな文章が素敵
「フリーランス最高!」と書いてあるかと思いきや、
「会社員時代の安定した収入が恋しい」と未練たらたらだったり、
「これからはマイウェイだ」と書きながら、
「正直人生マニュアルに合わせて生きてみたかったけど」と書いていたり。
かなり等身大の記述だと思います。
「こうした方がいい」という書き方ではなく、
「僕はこうするよ~」というニュアンスの書き方なのも素敵なポイント。
ハワンさんのかっこつけない、そのままの気持ちが書いてあるので、
こちらも脱力して読むことができます。
こんな人におすすめ
毎日自分をすり減らして頑張っている人に、特に読んでほしいです。
学校での勉強、仕事、私生活で
「こうあるべき」という社会の理想に縛られていませんか?
この本を読み終わると、なんだか気持ちが軽やかになっている自分に気が付くはずです。
本に関係ない余談
先日、妹に
これまで、自分のためじゃなくて、
他人の期待に応えるために努力してきた人生だったよ
とこぼしたら、
でもさ、「期待に応える」ことにも、高い能力が必要だと思うよ
と返してくれて、過去の私がかなり報われました。
この記事を読んでくださったあなたにも、この言葉を捧げます。
期待に応えようと頑張っている時点で、あなたには高い能力があるのです。
まとめ
『あやうく一生懸命生きるところだった』は、韓国人の作家さんによるエッセイです。
頑張りすぎるあなたに、「努力をやめてみる」という新しい選択肢を与えてくれます。
この本で、一瞬でも息をつける瞬間があなたに訪れますように。
以上、ぴえこでした。
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